看護師と介護士の違いとは?

介護士、ヘルパー、利用者、高齢者

「看護師と介護士、どちらの職業に就こう・・・」

ちょっと待ってください!看護師と介護士は仕事内容もやりがいも全く別物です。

働く場所の違いでは?いえ、そんなことはありません。

病院で働く介護士さんもいますし、デイサービスや老人ホームで働く看護師さんもいます。

同じ専門職ではありますが、どちらを選ぶかであなたの人生が大きく変わるかもしれません。

今回は看護師と介護士の違いについてご紹介します。

医療行為をできるのが看護師、できないのが介護士

注射、医療行為、点滴

介護士と看護師の大きな違いは医療行為ができるかできないかです。

正直、病院やデイサービスなどの施設では看護と介護の境界線は曖昧です。看護師さんも利用者さんの入浴や食事、着脱衣などの介助行為をします。

しかし、看護師さんは医師の指示に従って医療行為を行うことができます。介護士が「医師の指示だから」と言って医療行為をするのは違法です。

看護師にできて介護士にできないことが医療行為。では、介護士にできて看護師にできないことは・・・?

それは利用者さん一人一人に寄り添うことです。

介護士さんの方が利用者さんの日々の変化に気が付きやすいこと、コミュニケーションを取りやすいことで、やりがいも感じられやすくなります。

看護師さんは一人一人に接する時間は少ないです。

それでは、看護師と介護士の働き方を詳しく見てみましょう。

看護業界で働く

看護師、病院

看護師の主な仕事内容は、医師が患者の診察や治療を行う際の補助病気や怪我をした患者ケアがメインです。

血圧や体温、脈拍などの測定、注射、点滴、採血などの治療補助も行います。

4種類の看護職

看護職は看護師、准看護師、助産師、保健師に分類されます。

種類 仕事内容
看護師 病気や怪我で入院する患者さんのケア、診療サポート、患者さんの家族へのケアなどの看護活動を行います。国家資格。
准看護師 医師や看護師の指示の下、病気や怪我をしている患者さんのケアや診療サポートを行います。都道府県が交付する免許。
助産師 分娩介助、妊産婦と乳児への保健指導を行います。助産師は女性だけが就くことのできる職業です。
保健師 保健所や企業、学校で健康診断や病気、怪我の対応、保健指導などを行います。

看護師の働き先

看護師の活躍の場は、大学病院、公立病院、私立病院、診療所が多いです。

しかし、病院や診療所以外にも保健所、介護保険施設、訪問看護ステーションなど看護師さんの活躍の場が増えています。

ただ、それだけ働き先があれば人手不足にもなりますね・・・

次の表は就労場所ごとの看護師さんの人数です。

就労場所 看護師数
病院 747,528
診療所 125,782
介護保険施設 62,495
訪問看護ステーション 30,225
 看護師学校養成所  14,664
 社会福祉施設  13,737
 市町村  6,795
事業所  6,482
保健所  1,028
助産所  60
その他  6,948

介護業界で働く

介護士、ケアマネージャー、ヘルパー

介護士の主な仕事は日常生活が困難な高齢者の方、身体的あるいは精神的に障害のある方に対して入浴や排せつ、食事などの身体介護を行います。

利用者さんだけでなく利用者さんの家族などの相談に乗り、アドバイスをします。

3種類の介護職

介護職は大きく分類してホームヘルパー、介護福祉士、ケアマネージャーの3種類に分類することができます。

種類 仕事内容
ホームヘルパー 施設に通う方ではなく、在宅の要看護者の自宅を訪問して介護サービスを行います。身体介護と生活援助の2種類が主な仕事内容です。
介護福祉士 要介護者に対して身体介護や生活援助、介護者のご家族に相談やアドバイスなどを行います。勤務形態は勤め先によって異なります。
ケアマネージャー 介護支援専門員とも呼ばれます。要介護者の相談に乗り、必要なサービスを受けられるようケアプランを作成します。

介護士の働き先

介護士の働き先は特別養護老人センター、介護老人保健施設、身体障碍者療護施設、デイサービスセンター、在宅介護事業所、グループホームが多いです。

就労場所 特徴
特別養護老人ホーム 要介護度の高い方へのケアがメインです。勤続年数を重ねれば介護スキルを磨くことができます。キャリアアップもしやすくおすすめです。
介護老人保健施設 利用者さんのリハビリテーションを目的としている施設です。利用者さんが日常生活に支障をきたさない生活に戻れることを目的としています。
デイサービスセンター 自宅で生活する高齢者を日中に送迎し、入浴やレクリエーションを行う施設です。介護・支援度が比較的低い方が利用するサービスです。
在宅介護事業所 利用者さんの自宅を訪問し、身体介護や生活介護を行います。自宅に訪問し一人で介護を行うため、トラブル時の対応やコミュニケーションスキルが身に付きます。

まとめ

違い、比較

看護師と介護士、どちらがいいかは一概には言えません。なぜなら、働き方や業務で感じるやりがいは人それぞれ異なるため。

しかし、いずれも高齢社会に突入した日本では欠かせない職業です。

日本の社会を支える看護師、介護士として働くことは胸を張れることです。

あなた自身が、どのような働き方をしたいのか?誰と関わりたいのか?を掘り下げて考えてみれば、自ずと答えが見えてくるはずです。