看護師のキャリアを活かしながら病院以外で働ける職場とは?

看護師

仕事をする上で何をするかと同じくらい働く場所も重要です。人が集まる場所が好きな方は、規模の大きな職場が合っていますが、少人数でじっくり人と話し合うのが好きな方は規模が小さめの職場が適当です。看護師さんも同じで、大きな病院があれば小さな病院もあります。病院に限らず、病院以外にも看護師さんの転職先はたくさんあります。そうです、看護師さんが働く場所は病院に限られているわけではないのです。

今回は、看護師さんの経験を活かすことができる病院以外の転職先をご紹介します。

① 産業看護師

産業看護師

産業看護師とは、一般企業で働く看護師さんです。特に大企業には従業員用の医務室や保健室が用意されています。産業看護師は企業の医務室や保健室に勤務して、従業員の健康管理を行います。具体的には、健康診断の実施、データ化をして従業員の健康状態を把握する、突然の体調不良に陥った従業員の治療などを行います。

産業看護師に転職するメリット

産業看護師は、1企業に対して1人、多くて2人常駐しています。そのため、病院のような女性ならではの争いごとや、けなし合いから解放されます。また、産業看護師として企業の一従業員として働くことができます。業績がアップしたときの喜びや達成感も味わうことができるかもしれませんね。

訪問看護師

訪問看護師

訪問看護師は、看護師さんが患者さんの自宅を訪問して健康状態を伺ったり相談に乗ったりします。高齢社会に突入している日本では、病院に行かず自宅で療養したいと考える高齢者の方が増えています。そのため、訪問看護師の需要は年々増加しているのです。主な業務は患者さんの体温や血圧、脈拍測定のチェックです。こまめにデータを取って、小さな変化にも気づくように心がけています。バイタルチェックで異変を感じたら、医師の指示で点滴やインシュリン注射などの医療行為を行います。人工呼吸器、持続点滴などの医療機器を使用することも。

また、患者さんのご家族へのサポートも欠かせません。患者さんの介護は体力的にも精神的にも疲労が伴います。自宅に訪問しているからこそ、ご家族の負担が少しでも軽減されるようサポートすることも訪問看護師の役目です。また、健康状態や治療に関しても逐一報告することも欠かせません。

訪問看護師に転職するメリット

訪問看護師に転職するメリットは、夜勤や残業が少ないことです。また、土日休みの訪問看護ステーションも多いため、病院勤務に比べると好条件で働くことができます。また、病院で日勤のみで働く看護師さんに比べて給料が高いことも訪問看護師の特徴です。

デイサービス・老人ホーム

看護師、デイサービス

高齢社会の日本では、デイサービスや老人ホームが増えています。「デイサービスや老人ホームには介護福祉士やヘルパー、ケアマネージャーだけ」というイメージを持たれている方も多いと思いますが、看護師さんも働いています。デイサービス・老人ホームで働く看護師さんは利用者さんの健康状態の管理、突然の体調不良の対応を行います。しかし、病院に比べて緊急性の高い治療は起こりにくく、ヘルパーさんと同じように入浴や食事、衣服の着脱介助を行うことが多いです。

デイサービス・老人ホームに転職するメリット

デイサービスや老人ホームに転職するメリットは、訪問看護師と同じように土日休みが多いこと、夜勤や残業が少ないことが挙げられます。しかし、それ以上に利用者さんと時間をかけてじっくり向き合えるというメリットがあります。病院で働いていると、仕事に追われ患者さんと向き合う時間が取れません。ルーティンになりがちな業務を、デイサービスや老人ホームでは看護師さん本人の意思や感情で取り組むことができます。高齢者の方とじっくり向き合うことで、患者さんとの接し方が変わるはずです。

ツアーナース

ツアー

ツアーナースは、団体旅行や研修旅行に同行し、参加者の健康管理を行う看護師さんです。ツアーナースは毎回の旅行先も変わりますし、ツアー参加者も変わるため、初対面の方とも積極的にコミュニケーションを取ることができる方におすすめです。また、日本全国はもちろん、海外でのツアーに参加することもあるため、環境の変化に柔軟に対応できる旅行好きな方に向いています。

ツアーナースに転職するメリット

ツアーナースに転職するメリットは無料で旅行できる上に、給料も入ることです。また、日給で支払いが行われることが多く、お金がないときの臨時収入にもなります。また、仕事中関わる方が毎回変わることから、一つの企業に縛られたくない方や初対面の方でも打ち解けられる方は楽しみながら働けると思います。

イベントナース

看護師、救急箱

イベントナースは、音楽ライブやスポーツイベントの会場で急病人の処置を行います。基本的に会場を訪れている一般の方を対応しますが、稀にアマチュアスポーツ選手なども対応することがあります。イベントは基本的に屋外で行われるため、真夏は熱中症などで運ばれる患者さんが多いです。

イベントナースに転職するメリット

イベントナースに転職するメリットは、好きなスポーツ、ライブ会場で働くことができることです。もちろん仕事なのでじっくり鑑賞することはできませんが、臨場感を味わうことができます。また、ツアーナースと同様単発で募集しているところが多いため、ご自身の都合に合わせて働くことができる、一企業に縛られず働くことができます。

治験コーディネーター(CRC)

製薬品

治験コーディネーター(CRC)とは、新薬が世の中に出回る前に安全性や効果を図る仕事です。製薬会社に勤務し、医師と共に医療機関に説明を行う被験者を募集する報告書を作成することが主な業務です。製薬品に関する知識が求められますが、医薬品は先輩や医師に質問することができるため、未経験の方も始められます。看護師として学んだ知識や病棟で働いた経験を活かすことができます。

治験コーディネーター(CRC)に転職するメリット

治験コーディネーター(CRC)の特徴は、最新の薬学知識を入手できること、夜勤がないこと、土日祝日や年末年始、お盆休みを取得しやすいことです。転職して間もなくは給料が下がりますが、プロジェクトマネージャーなどキャリアアップをしていけば5年も勤務していれば看護師と同等の給料を稼ぐことができます。

まとめ

注射

看護師としての知識や経験を活かせる職場は病院以外にも多く用意されています。病院以外の職場は、夜勤や残業が少ない、土日祝日休みの場合が多いです。また、一緒に働く看護師の人数も多くないため、病院ならではのドロドロ・ギスギスした関係になることが少ないことも特徴です。

今回ご紹介した病院以外の転職先はほんの一部です。看護師の転職サイトではバリエーション豊富な転職先が揃っているため、一度チェックしてみてはいかがでしょうか。看護師以外の他職種へ転職を考えている方はこちらの記事をご覧ください。⇒『看護師は他職種に転職できるの?